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婚姻の秘蹟
 
女が相互に全生涯にわたる生活共同体をつくるために行なう婚姻の誓約は、その本性上、夫婦の善益と子の出産および教育に向けられています。
受洗者間の婚姻の誓約は、主キリストによって、秘蹟の尊厳にまで高められました。それゆえ受洗者間における全ての有効な婚姻契約は、それ自体で秘蹟です。
婚姻は、契約当事者の一方が、住所または準住所を有する小教区で挙式されなければなりません。
婚姻の挙式に先立って、その挙式の有効性および適法性について何らの障害も存在しないことが確認されなければなりません。
婚姻は、これに立ち会う地区裁治権者もしくは主任司祭、または、この両者のいずれかから委任された司祭または助祭、ならびに2名の証人の面前で、明文規定に従って締結されるもののみが、有効です。(教会法第1055条、第1066条、第1108条、第1115条)
 

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婚姻の秘蹟とは何ですか?
 
婚姻の秘蹟とは、キリスト信者の男女の間に結ばれた
不解消の絆を聖化するもので
彼らが忠実に、夫婦として、また親としての義務を果たせるよう
恩寵を与えるものです
 
婚姻の本質的な特性は何ですか?
 
婚姻の本質的な特性は
単一性、不解消性、子供の出産に開かれていることです
 
単一性とは何ですか?
 
単一性とは、結婚が、1人の男性と、1人の女性の間で行なわれる
一夫一婦制のことです
 
結婚の単一性に反するものは何ですか?
 
結婚の単一性に反するものは、一夫多妻制です
これは、男女の平等にも反し
また夫婦間の真正の愛が
第三者の介入を拒否するという排他性にも反します
 
不解消性とは何ですか?
 
不解消性とは、結婚の絆がいかなる権力によっても
また、死以外のいかなる事情によっても解き得ないということです
 
結婚の不解消性に反するおもな悪習は何ですか?
 
結婚の不解消性に反するおもな悪習は、離婚です
これは、夫婦が一生涯助け合いながら暮らすということを尊重しないものです
 
教会で婚姻の秘蹟を受けたのち
民法上離婚し、民法上再婚し、その状態を継続する人は
赦しの秘蹟と聖体の秘蹟を受けることができますか?
 
いいえ、教会で婚姻の秘蹟を受けたのち
民法上、その配偶者と離婚し
民法上、別の人と再婚し、その状態を継続する人は
赦しの秘蹟を受けることができませんし
聖体の秘蹟も受けることができません
 
なぜなら、民法上離婚したとしても
教会法上、婚姻状態にあることに変わりはなく
民法上、別の人と再婚した状態は
教会法上、常時、公然の罪の状態にあるからであり
その状態は、神の法と客観的に矛盾するからです
 
夫婦は別居することができますか?
 
夫婦は共同生活する義務を負っています
しかし、例外的な状況の中では別居できます
 
別居した夫婦は、新たに結婚できますか?
 
夫婦は別居しても、有効な婚姻の絆が消えるわけではないので
別居した夫婦でも、それぞれ新たに結婚することはできません
 
教会が結婚の無効を宣言する時、夫婦の絆が消えるのですか?
 
教会が結婚の無効を宣言する時
夫婦の絆が消えるのではありません
それはただ、夫婦の絆が
現実には存在していなかったことを明らかに宣言するということです
 
いかなる理由で結婚の無効を宣言できるのですか?
 
結婚の無効が宣言できるのは
結婚の同意がなかった場合や
当時の結婚について将来に関する条件を付していた場合や
教会によって定められた方式に従ってなされていなかった場合や
あるいは無効の障害があった場合です
 
無効の障害とは何ですか?
また、典型的な無効障害にはどのようなものがありますか?
 
無効の障害とは、結婚を無効にする状況です
典型的な無効障害には
適切な年齢に達していないこと、近親関係、宗教の違い
婚姻前からの永久的な交接不能
聖なる職務の叙階者、貞潔の公的終生誓願者などがあります
 
結婚のために適切な年齢とは何歳頃からですか?
 
日本での結婚のための法定年齢は
今後の民法改正により、男子も女子も満18歳からとなりますが
各々結婚生活が負わせる種々の試金石に耐えうる心構えができていること
男子が親からの経済的自立ができていること
各々利己主義に傾いていないこと
子供の出産教育に向けて真摯な心構えができていること
少なくともこれらの心構えや状況が備わっていることが必要不可欠です

結婚のために必要な心構えや状況が備わらないままだとどうなりますか?

これらなしには時期尚早で不幸な結果をもたらしかねません
つまり、夫婦の崩壊的不和、子供への虐待やネグレクト、金銭問題
ドメスティック・バイオレンス、不倫、別居、最悪の事態を招きかねません

そのため、結婚のために必要な心構えや状況が備わらないうちは
つまり、霊的、精神的、経済的に、自己贈与に必要な愛が未熟なままでは
結婚の法定年齢をこえていても、結婚の段階に進むべきではありません
 
教会は、信者がカトリック以外の宗教の人と
結婚することを許可しますか?
 
教会は、条件付きで
信者がカトリック以外の宗教の人と結婚することを許可します
すなわち、信者の側が、自分の信仰の危険を避けること
生まれる子供に洗礼を授けてカトリックの宗教教育をすることを約束し
他方がその約束の実行を承知することです
 
挙式に必要な条件は何ですか?
 
挙式に必要な条件は
挙式が、主任司祭または適切に委任を受けた聖職者と
2人の証人の前で行なわれることです
 
なぜ結婚式が教会の定めた公の方式で
秘蹟として挙行されなければならないのですか?
 
結婚式が教会の定めた公の方式で
秘蹟として挙行されなければならないのは
結婚が教会的な出来事であり
結ばれる2人を公に認知する必要があるからです
 
カトリック信者の男女が、教会で挙式せず
役所に届け出をして入籍し、一緒に暮らすとどうなりますか?
 
カトリック信者同士の単なる民法上の婚姻は
合法的婚姻ではありません(cf,倫理神学概論)
 
カトリック信者の男女が、教会で挙式せず
役所に届け出をして入籍して、一緒に暮らしても
教会の定めた公の方式で秘蹟として挙行されない限り
教会において2人は夫婦ではありません
 
なぜなら、信者の間では
秘蹟でない結婚は、真の結婚とはなりえないからです
 
教会で式を挙げずに一緒に暮らしている信者の男女は
赦しの秘蹟や聖体の秘蹟を受けることができますか?
 
教会で式を挙げずに一緒に暮らしている信者の男女は
赦しの秘蹟も聖体の秘蹟も受けることができません
 
それは、2人が教会で式を挙げない限り
その男女の共同生活は同棲であり
その男女の性交渉は私通となり
教会において、絶えず公然の罪の状態を続けることになるからです
 
子供の出産に開かれているとは、どういう意味ですか?
 
子供の出産に開かれているとは
結婚生活が、子供を産み育てることに向けられているということです
子供は、結婚の最も素晴らしい賜物です
 
結婚の本質的な特性を変えることができますか?
 
男性と女性を夫婦として結びつける
結婚の本質的な特性(単一性、不解消性、子供の出産教育)を
変えることはできません

なぜなら、それらは結婚の本質自体に属するもので
創造主によって定められたものだからです

また、男女を夫婦として結びつける結婚の特質のゆえに
男性と男性、女性と女性の間になされる同性婚は
自然法の観点からしても、教会法の観点からしても
結婚として認められません
 
婚姻の秘蹟はどのようにして受けるべきですか?
 
婚姻の秘蹟は、恩寵の状態で受けなければなりません
それゆえ、結婚する男女は
相互理解を深めつつ婚姻の意味についてよく学び
赦しの秘蹟を受けて、聖体を拝領することが勧められます


未信者の夫婦が一緒に洗礼を受けた後
あらためて婚姻の秘蹟を受ける必要はありますか?
 
非受洗者間同士の婚姻は
夫婦が洗礼を受けた時に秘蹟となり
その時点で新たに結婚式を挙行する必要はありませんcf,倫理神学概論)
 
これは根本的補正 sanatioin radice による婚姻の有効化の1つであり
その法的効果として
『法定方式に従った同意の更新(単純有効化)の免除』
『無効な婚姻の有効化』
『教会法上の効果の遡及』があげられます
 
補正されるまでの期間に生まれた全ての子女は
教会法上有効な婚姻によって生まれた子女とみなされます
 
また、根本的補正は
『当事者が知らない補正』『双方の不知の補正』とも呼ばれ
当事者の一方あるいは当事者双方が知らなくても
教会権威によって法定方式に従った同意の更新が免除されるもので
当事者双方にはなんらの積極的行為は要求されません

 
昨今、洗礼式と同時に堅信式を同じミサで執り行うようになっていることから
すでに民法上入籍をしている未信者の夫婦が
のちに2人とも受洗してカトリック信者になる場合
同じミサの中で、洗礼式や堅信式に引き続いて
受洗者両者の各々の代親を婚姻の証人として
婚姻の合意の更新式(婚姻の単純有効化)を執り行えば
婚姻の秘跡の尊重の面からも、共同体における認知の面からも
適切ではないか、というニールさんからの個別的見解がありました

それは確かに合理的で素晴らしい見解であり
洗礼志願期に、7つの秘蹟の学びの際
特に、洗礼、堅信、婚姻について学びを深め
その間、代親となる信者と親交を深め、打ち合わせもしていけば
新たな神の養子の誕生、新たな戦士の誕生、新たな家族の誕生を
同じミサの神秘の中で
聖体の秘蹟に養われつつ
カナの聖母の取次ぎのうちに
水がぶどう酒に変えられたように
古い人が新しい人に、古い結びが新しい結びに昇華されて
教会人としての2人の新たな門出を、共同体のうちに共に祝えますし
天上的喜びと祝福の注ぎも、より一層深まり豊かになるものと思います

 
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Die 20 februarii
Beatæ Mariæ Virginis in Nuptiis Cana Galilææ
ガリレアのカナの婚宴における幸いなおとめマリア
記念日;2月20日
 
カナの婚宴で行なわれたことは、それを見た人々にとっては奇跡であり、それを理解する人々にとっては神秘です。その婚宴で水に起こったことにより、比喩的に、洗礼による再生が示されています。そこにおいて、あるものが、他のものになり、劣った被造物が、優れたものへとひそかに変えられる時、洗礼における再生を、神秘的に表象する出来事が実現します。カナの婚宴で、水がその場で変えられました。それは将来、人間たちが変えられるであろうことを啓示するためでした。
(リエのファウスト司教)
 
カナの婚宴において、救い主のすぐそばで、聖母マリアが、全ての恵みの仲介者として、いつくしみ深い母親としての務めを果たしておられるのを、私たちは見ています。イエズスの最初の奇跡であるカナの奇跡は、キリストの「時」を早めるほどに強力な、マリアの取次ぎによって行なわれたのです。救い主は「私の時は、まだ来ていません」と御母に答えられましたが、マリアは御子を信じきっていたので、それ以上、重ねて願わず、愛に満ちた信頼のうちに、召使いたちに言われました。「なんでも、あの人があなたたちに言われるとおりに、行ないなさい」。イエズスは、御母の謙遜、繊細な心遣い、信仰、信頼に満ちた委託に負けてしまわれ、また、御母が、どれほどご自分の聖心を動かす力をお持ちであるかを、私たちに明らかに示すために、その願いをお聞き入れになり、こうして奇跡は実現したのです。
(聖マリア・マグダレナのガブリエル司祭)
 
Núptiæ factæ sunt in Cana Galilææ,
ガリレアのカナで婚宴があり、
et  erat ibi Iesus cum María matre sua.
そこにイエズスが、その御母マリアと共におられた。
Deficiénte  vino, dicit Mater Iesus ministris :
ぶどう酒がきれたので、イエズスの御母は、下男たちに言われた。
Quodcumque  dixerit vobis, facite.
「なんでも、あの人があなたたちに言われるとおりに、行ないなさい」
Et iussit  Iesus impléri hydrias aqua,
そこでイエズスが、水を石がめに満たすようにと命じられると、
quæ  in vinum convérsum est.
その水は、ぶどう酒に変わった。
Hoc  fecit initium signorum Iesus in Cana Galilææ :
これが、ガリレアのカナにおいてなされたイエズスの最初のしるしであり、
et  manifestavit gloriam suam,
その栄光を現わされたので、
et  crediderunt in eum discipuli eius.
その弟子たちはイエズスを信じた。
V. Dirigátur, Dómine, orátio mea.
主よ、私の祈りをあなたに向けて導いてください。
R. Sicut incénsum in conspéctu tuo.
あなたの御前に立ち昇る香のように。
Oratio
Concede, quæsumus, Domine,
主よ、私たちはつつしんで願い求めます。
ut  Unigenitus tuus, qui in Cana Galilææ
ガリレアのカナで、あなたの御独り子が
aquam  in vinum mirabiliter transmutavit,
水をぶどう酒に奇跡的に変えられたように
huius  virtute mysterii corda nostra in se transformet.
この神秘の力によって、私たちの心も御子のうちに造り変えられますように。
Qui  tecum vivit et regnat in sæcula sæculorum. Amen.
御子はあなたと共に世々に生き、支配しておられます。アーメン。